都市部では家族葬が主流

ある斎場(葬儀場)は、家族葬専用のファミリールームを設置しています。少人数が入れる部屋があり、白で統一されています。靴を脱ぐスタイルで家族がくつろげる場になっています。自宅のリビングルーム(居間)のような空間でゆっくり故人とお別れできるよう作られています。このように、従来100人以上の参列者を想定していた斎場は、現在、家族葬の人気の高まりから、小規模な葬儀に対応しようとしています。
通夜・葬儀・告別式をせずに火葬だけをする直葬、通夜を省いて葬儀・告別式・火葬をする1日葬など、お葬式の形態が多様化する中で、現在多くの人が望むのが、家族や親戚中心の家族葬です。東京の都市部では、全体の約5割が家族葬だという。家族葬の人気の背景には何があるのでしょうか。もともと葬儀の中心は家族や親戚ですが、1980年代後半に始まるバブル期以降、盛大な葬儀が主流となり、会葬者(参列者)が主役になっていました。家族は会葬者(参列者)の対応に追われ、故人とゆっくりお別れできず、家族には不満がありました。また、高齢者の多くは子に経済的負担や手間をかけたくないと考えて「簡素な葬儀を」といった遺言を残します。こうして、家族葬が増加しているのです。